追われて中仙道
夏の中仙道、上州路。
ひょんなことから道連れになった男と女。
片や行きがかりで主を殺して金を奪った新助こと鉢谷幸次郎。
片や囲われていた旦那を殺し、男に化けて江戸を立った島五郎ことお島。
どちらもすねに傷持つ逃避行。
迫る追手や地回りに雲助、群がる悪党を右に左に斬り捌き、京を目指してひた走る。
明日をも知れぬ二人がたどり着くのは極楽か、はたまた地獄か……。
長篇時代小説。
●多岐川恭(たきがわ・きょう)1920年福岡県生まれ。
東大経済学部卒。
戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。
1953年『みかん山』で作家デビュー。
『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。
以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
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