緋の墓標 (1)
朝日を浴びてより人間に近くあろうとする哀しきバンパイアの運命 男は吸血鬼であった。
だが男は、吸血鬼であるよりも’人間’に近い存在でありたいと願い、ガソリンスタンドの夜勤を終えると、少しずつ朝日を浴びるのを日課としていた。
男の名は執行克彦(しぎょうかつひこ)といった。
だがある夜の強盗事件が、男の運命を変えてしまう。
そして、吸血鬼たちが闇の町・星宮市に展開する。
新感覚の吸血鬼ハードボイルドアクション、「緋の墓標」シリーズ第1弾。
●田中文雄(たなか・ふみお)1941年東京生まれ。
早稲田大学卒業後、東宝入社。
70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。
1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。
1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。
1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。
草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。
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