恐怖の日常
ひどくむしゃくしゃする。
不愉快な感情が体の中を駆けめぐる。
全身に毒素が回り、内臓が焼けただれていくようだ。
吐き気がする。
もうがまんできない。
ぼくはどうなっていくのだろう。
これもみんな黒い雲のせいだ……。
さりげない日常や家族の団欒の裏側に潜む、真の恐怖を描いた表題作など、不安な現代を生きる病める精神たちの相貌が、ホラー小説の姿をとって描かれる。
モダンホラー短篇集の名作。
*山の家*窓*白い少女*大きくなあれ*反乱*葬られた薬*子宮の館*屋上の老人たち*恐怖の日常●村田基(むらた・もとい)1950年、京都市生まれ。
名古屋大学文学部中退。
出版社勤務ののち、1986年に「SFマガジン」に短編「山の家」を発表して作家デビュー。
主にホラー、SFを執筆。
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