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魔障

オカルト書籍専門の編集者・平井は、ある日、奇妙な外国人の訪問を受けた。
’異象が体験できる本’……形而上学者を自称する男は、そう言って本を平井の許に置いて行った。
『空の書』と名づけられたその本を手にした日から、平井へ向けられる視線や声が、悪意に満ちたものに一変していく。
それらは、妄想や幻聴なのか? 徐々に、だが確実に一人の編集者を追い込んでいくものとは……。
著者の実体験に基づく衝撃のホラー中篇「魔障」の他、短篇2本を収録した作品集。
*魔障*忌の血族*追ってくる●朝松健(あさまつ・けん)1956年札幌生まれ。
東洋大学卒。
出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。
ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。
2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。
近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、かつて誰も書かなかった〈異形の戦場〉と化した京都を描いた『血と炎の京』で高い評価を得ている。




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