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復讐劇の館

もはや戦後ではない、そんな言葉がささやかれるようになった昭和三十五年。
だが鳥澤渡の戦後はまだ終わっていなかった。
彼は無念の死を遂げた父の仇を討つため、薔薇が咲き誇る壮大な館へやって来た。
ここの主人は戦時中は海軍大佐で、かぎりなく妄想に近い人体兵器を発案し、渡の父をはじめ多くの兵士を死に至らしめたのだ。
いよいよ、始まる。
美しいピアノの調べに乗って、復讐劇の幕はいま開いた。
渡は胸の高鳴りを覚えた……。
幻想的な筆致で描く長篇ミステリ小説。
電子オリジナル作品。
●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう)1960年、三重県伊賀市生まれ。
早稲田大学第一文学部文芸専修卒。
同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。
在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。
印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。
第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。
ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。




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