◆第一句集なにもない雪のみなみへつれてゆくあらゆる人のはじまりであることの困難さの代わりに。<br />◆自選十句息のある方へうごいている流氷昏睡のあおき正午や雲雀降る蜂が眼を集めて空へ供養の日視野に白鷺くちびるがふとあまい紙で創る世界海月の王も紙西日暮里から稲妻見えている健康七夕や卵の知られざるつづき晴れやみごとな狐にふれてきし祝日二十日鼠のまなざしを継ぎ億の雪真贋や鶴にしずかな日のひかり