◆第一句集壺焼の腸勾玉の原型かひとの為すものに原型ありぬべしひとの心のはたらきもまた◆自選一〇句より壺焼の腸勾玉の原型か堅雪を猪引き摺りて穢しけりあぢさゐの毬に触れゆくランドセル睡蓮と星は昼夜を分かちをり爆心地跡の屋台に舌焦がす翳りては寂光放つ花野かな月明や藪に分け入る蟹の脚くたびれし紙幣のにほひ秋の雨帰り花咲く散りぎはのやうに咲く冬はつとめて渡り廊下の黒光り