最古の書物として人口に膾炙してきた『古事記』。<br />その神代の巻からは、神々の妬み、苛めに始まり、肉親の死を嘆く声も聞こえてくる。<br />日本の神々は、民と交わり、民とともに働き、人間同様死にゆく存在でもある。<br />おそらく、神々は古代の日本列島に生きた人々の姿でもあるのだろう。<br />王国の成立と興亡の歴史が『古事記』には秘められている。<br />その歴史と人々の悲しみと喜びを歌で再現した、古代を旅する歌集。<br />