「この物質の謎を解かなくては」少年の強迫観念に近い切迫それは父の遺志によるものだった――東日本大震災の津波に流された父の遺品の顕微鏡が、5年後、アメリカの海岸で発見された。<br />海水に侵され続けたはずの顕微鏡は、真新しく、日々更新されているかのように機能が改変されていく。<br />この顕微鏡に偶然映り始めた物質の謎を解くうち、少年は命の起源ともいえる壮大な命題に立ち向かうことになる。<br />