崇高な愛
吝嗇な曾祖母、母親に暴力を振るう父親、泣いてばかりの母親……台湾で過ごした悲惨な幼年時代。
「日本はいい。
日本にいけば、なんとかなる」――敬愛する叔父のことばを信じ、18歳で祖国を出た。
大学に進学し、愛する人と出会い、結婚。
ふたりのこどもをもうけ、なにひとつ不満のない生活を送っていた。
あの日、あの診察室で、あのひとに出会うまでは――。
目が合う、声を聞く、指が胸に触れる――たったそれだけで、心はひそかに、たしかに震える。
ひそやかな愛に揺れ動く60歳女性の心境を、しめやかに綴った恋愛小説。
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