高度経済成長期、旅行ブームに湧いた昭和30年代。<br />新聞社に勤めていた上村は、旅行斡旋業という未知の業界へ転職する。<br />実力主義の「くろがね観光」で、理不尽な命令に従いながら、秘密裏に反抗の絵を描いてゆく上村。<br />すべては、権力闘争を征するため、そして、愛する人と生きるために――「くろがね観光」に魅せられた、欲深き男たちの狂想曲。<br />果たして最後に笑うのは誰か? 2015年に単行本として刊行された話題の小説、待望の文庫化!