目指す先になにがある――応永二十六年。<br />高麗や蒙古、大唐との覚束ない外交を進めていた。<br />激動する日々のそのなかで、天竺天次(テンジク テンジ)は手柄を立て春日大社を世間に知らしめよという命のもと、奈良から九州へと渡ることとなる。<br />奈良にまで噂が流れてくるほど、海外の影響を強く受ける博多では、様々な思惑が渦巻いていた。<br />神風党と名乗る勢力とは。<br />活き活きと室町を駆け巡る天次から目が離せない、迫力満点の歴史小説。<br />