幼いころ暮らしていたキューバの街に訪れた日本人女性。<br />懐かしい街と人の思い出を辿る旅は、やがて封印された記憶を少しずつ紐解き、衝撃の出来事へと繋がっていくーー。<br />捨てられる不出来なコーヒー豆も、知らぬ間に立派なコーヒーの木に育つこともある。<br />強い日差しが照り返し、時の止まったようなキューバの街の雰囲気の中に、数奇な運命と、人生の重みを見事に描き出した本格小説。<br />