『天津風の田に毒をまいた。<br />残りの山田錦が惜しかったら、五百万円用意しろ』烏丸酒造に届いた一通の脅迫状。<br />見れば一本百万円を超える純米大吟醸酒の元となる田の一角が枯らされていた。<br />捜査の過程で浮上する、杜氏の死にまつわる事件の疑惑。<br />そして、脅迫犯が突きつける、前代未聞の要求とは――。<br />密室の謎とアリバイ崩しに挑む、菌も大活躍の発酵醸造ミステリー。<br />