手を差し伸べる少年と、翠色に輝くまばゆい光。<br />ときおり見る不思議な夢は何を伝えようとしているのか――。<br />十七歳を迎えた天堂尊は、母親から五歳の頃に’神隠し’に遭った双子の兄の存在を告げられる。<br />夏休みの間、友人の陽太とともに伊勢にある伯母の家で過ごすことになった尊は、伊勢神宮の神々しさに触れるうちに、忘れていた兄の存在を感じ始める――