大士の譜 ―天平の僧 玄賓僧都―
奈良時代の最盛期。
南都六宗のひとつ「法相宗」六祖の一人に数えられる、実在した気高き僧の生涯。
万葉集など貴族的文化が花開く中、若くして法相学や医方明を学び頭角を現していく玄賓(げんぴん)。
尼僧の妙華に出会い恋心を抱くも、ストイックなまでにその感情を抑え込み興福寺での修行に励むが、同じく修行をしていた宝源(ほうげん)の妬みによって女犯の禁を犯しているという誹謗中傷にあい、更なる修行を積むため北国へ乞食行に出るのだった。
鎮護国家思想が強くなり、国家による庇護を受けた寺院の勢力や規模の拡大で私利私欲に走る僧が出てくる時代にありながら、高僧にのぼり詰めてもなお民のために身を賭し続けた八十五年を描いた、心震える歴史小説。
<著者紹介>村上茂之(むらかみ・しげゆき)1947年 愛媛県に生まれる1971年 佛教大学卒業 豊中市役所に奉職2008年 豊中市役所 定年退職2011〜2021年 戸世山蓮明寺法務に従事著書に「蘇る天平の浪漫―伊賀四国八十八ヶ所霊場第二十八番札所蓮明寺の伝説より」2017年/文芸社
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