自分の人生を振り返り、天国逝きだと胸を張れる人間が、どれだけいるのだろう。<br />人と人との確かな絆――命、つながり――を描いた文学作品。<br />初めは夢だと思った――男が目覚めたのは、水面にたゆたう小舟のなか。<br />古い装束をまとった船頭と二人きりの妖しい道行き。<br />その過程で徐々に明かされていく衝撃の事実。<br />人生を振り返るなかで、人はなにを取り戻したいと思うのか。<br />なにが正しかったと言えるのか。<br />いま、ふたたびまみえる「高瀬舟」の世界。<br />