わたしのSP
出版社勤務の木賊万里絵は、書店で見かけたある男性のことが忘れられなかった。
万里絵はその男性の名前を知らない。
背の高さ、体つき、スーツやネクタイの色、髪型、肌の色、顔立ち。
その男性の姿を形づくるさまざまな記憶が、頭の中に立ち上ってくる。
テレビでニュース画像を見ているとき、万里絵は驚きの声をあげる。
ある国会議員の真横にいるのは、書店で出会ったその男性だった。
彼はSP(セキュリティ・ポリス)だったのだ。
ある日、万里絵は仕事で訪れたホテルで偶然、そのSPの釣木沢守と再会し、交流が始まる。
「わたしは釣木沢さんの信頼に耐えうるような女ではありません」自らの過去に後ろめたさを覚える万里絵を、釣木沢が包み込んでいく。
<著者紹介>結李花(ゆりか)岩手県在住。
湖のほとりで田舎暮らしをしながら小説を書いています。
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