目に見えているこの体は誰だろう、誰のだろう、ぼくか、ぼくのか、しかし、ぼくとは誰だろう。<br />船が難破し、一切の記憶を失った光(ひかる)。<br />蘭の花が香る清艶な女性に導かれたのは、混沌と秩序がうねり合う’ナーダの国’であった――。<br />神秘の島で解き明かされていく、彼自身の正体とは。<br />圧巻のファンタジー小説。<br />