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優雅なのかどうか、わからない

Casa BRUTUS連載、待望の単行本化!48歳にして再び独身になった主人公、匡(ただし)は、吉祥寺にある古い一軒家を老婦人に借り受け、自分好みに改装を始める。
気楽な一人暮らしは、順調に滑りだすが、かつての恋人、佳奈とばったり再会。
佳奈は、父親とふたりで同じ町に住んでいた……。
「気ままな一人暮らし。
うらやましいかぎりだなあ。
これを優雅と言わずして、なんと言う」。
まわりにそう言われることに違和感を覚えつつ、佳奈との関係を取り戻したいと願う匡だが、彼女の父親は認知症となり、いつしかその介護に巻き込まれていく。
自分の家と行ったり来たりの生活は、さらに思わぬ展開となり、どう暮らしたいのか、誰と生きたいのかの選択を否応なく迫ってくる---。
かつて妻や息子と暮らした代々木のマンション、一人になって借り受けた、井の頭公園に接した古い一軒家。
吹き抜け、窓、灯り、テラス、暖炉、キッチン……随所にあふれる細かい家の描写が、物語に柔らかな深みを与えている。
流れるような美しい文体で描かれる、松家仁之の、新しい小説世界!




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