予算の残りを食いつぶすために生れた《景気調査官》。<br />彼の役目は文字通り各地の食物を試食し、景気に関する‘実感的レポート’を作製することにある。<br />銀座のたこ焼きをふり出しに、知床半島から鹿児島まで、あり余る‘取材費’にものを言わせて、主人公はただひたすら食いまくる……。<br />官僚主義への痛烈な諷刺を軸に、一瞬にして消え去る美味の本質を見事に捉えた異色の食味小説。<br />