夫の女ぐせの悪さに嫌気がさし家出した桐江は、連れ込み旅館で働いている。<br />今は何が起ころうと無感動、寂しさも消え、なぜか安心して暮している桐江。<br />それは、「人間ぎらい」(表題作)になったからなのか――。<br />夫に裏切られる女、妻に踏みにじられる男。<br />男と女の、相寄り相離れる感情の動きや不可思議な成り行きをユーモアの中に、ほんの少し人生のホロ苦さをミックスして描く9編。<br />