二度目の夏が過ぎた。<br />主君の復讐に燃える赤穂浪士は、高齢者は体の衰弱に耐え、若き急進派は苛立ち、大石への疑義が止まない。<br />上杉・吉良側も周到な権謀術数を巡らし、小競り合いが頻発する。<br />しかし、大願に向け、遂に内蔵助が動きはじめた。<br />呉服屋に、医者に姿を変え、江戸の町に潜んでいた浪士たちが、次々と結集する。<br />しかし、――目指す上野介は果して屋敷に潜んでいるのか?