その日に死んでしまふ気がするのです──。<br />昭和十六年、青森。<br />凜太はTB(テーベ)を患い隔離病棟で療養する妻を足繁く見舞っている。<br />しかし病状は悪化、ついには喉の安静のため、若い夫婦は会話を禁じられてしまう。<br />静かに蝕まれる命と濃密で静謐な時。<br />『指の骨』で新潮新人賞を受賞した大注目作家のデビュー第二作。<br />芥川賞候補作。<br />