高校の廊下にうずくまる、かつての少女だったものの影。<br />疲れた女の部屋でせっせと料理を作る黒い鳥。<br />母が亡くなってから毎夜現れる白い手……。<br />何気ない暮らしの中に不意に現れる、この世の外から来たものたち。<br />傷ついた人間を甘く優しくゆさぶり、心の闇を広げていく――新鋭が描く、幻想から再生へと続く連作短編集。<br />