実体がないような男との、演技めいた快楽。<br />結婚を控え‘変化’を恐れる私に、男が遺したもの(「ほむら」)。<br />傷だらけの女友達が僕の家に住みついた。<br />僕は他の男とは違う。<br />彼女とは絶対に体の関係は持たない(「うろこ」)。<br />死んだ男を近くに感じる。<br />彼はどれほどの孤独に蝕(むしば)まれていたのだろう。<br />そして、わたしは(「ねいろ」)。<br />昏(くら)い影の欠片が温かな光を放つ、島清恋愛文学賞受賞の恋愛連作短編集。<br />