ドラッグストア店長の梨枝は、28歳になる今も実家暮し。<br />ある日、バイトの大学生と恋に落ち、ついに家を出た。<br />が、母の「みっともない女になるな」という‘正しさ’が呪縛のように付き纏(まと)う。<br />突然消えたパート男性、鎮痛剤依存の女性客、ネットに縋る義姉、そして梨枝もまた、かわいそうな自分を抱え、それでも日々を生きていく。<br />ひとの弱さもずるさも優しさも、余さず掬う長編小説。<br />