清冽な抒情のあふれる散文詩の世界は、井上文学の精髄であるとともに、現代詩の系譜のなかでも類を見ないユニークな光彩を放っている。<br />人生への愛、使者への慟哭、青春の疼き、運命に対する畏怖など、さまざまなモチーフを謳った詩篇には深い静寂と諦念にも似た明澄さが漲っている。<br />既刊の5冊の詩集のすべてと最新作、拾遺詩篇多数を収録する。<br />半世紀に及ぶ詩業の集大成。<br />