スパイMの奸計により逮捕され共産党から転向した小松修吉は、Mを追って満洲に渡り、終戦後、捕虜となる。<br />昭和21年早春。<br />ハバロフスクの日本新聞社に移送された修吉は、脱走に失敗した軍医の手記を書くよう命じられた。<br />面談した軍医は、レーニンの裏切と革命の堕落を明かす手紙を彼に託した。<br />修吉はこれを切り札にしてたった一人の反乱を始める……。<br />著者の集大成。<br />遺作にして最高傑作。<br />