テレビのニュース・アナが、だしぬけにおれのことを喋りはじめた――「森下ツトムさんは今日、タイピストをお茶に誘いましたが、ことわられてしまいました」。<br />続いて、新聞が、週刊誌が、おれの噂を書きたてる。<br />なぜ、平凡なサラリーマンであるおれのことを、マスコミはさわぎたてるのか？ 黒い笑いと恐怖にみちた表題作、ほか『怪奇たたみ男』など、あなたを狂気の世界に誘う11編。<br />
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