ささやかだが平穏な暮らしが、その日、失われた。<br />怪しい男たちが訪れた時刻から。<br />三浦半島で小さなボート屋を経営していた渋谷は、海上で不審な船に襲われたうえ、店と従業員を炎の中に失う。<br />かつて日本有数の登山家として知られた渋谷は、自らの能力のすべてを投じ、真実を掴むための孤独な闘いを開始する。<br />牙を剥き出し襲いかかる「国家」に、個人はどう抗うことが出来るのか。<br />