山で人が溺れた日から半年、グランドピアノとともに町に流れ着いた一人の少女。<br />子守唄、海の歌、重なってゆくピアノと人びとの歌声、そして訪れる奇跡――。<br />全篇をとおして音楽が鳴り響く「海と山のピアノ」。<br />四国という土地がたっぷりと抱き込んだ命の泉に浸されるような「ふるさと」など、豊かな物語性にみちた水にまつわる短篇集。<br />