‘六文足’の竹井岳彦は水戸で運動具商を営む美しい女性のもとに婿入りする。<br />しかし岩壁への執念は断ちがたく、ひたすらヨーロッパへの憧れはたかまる。<br />最初、アイガー北壁に挑むが、持ち前の慎重な判断力により途中断念する。<br />再度、血みどろの足をひきずり、日本人としてはじめてマッターホルン北壁を征服する。<br />実在の人物を素材にして、あらゆる困難にうちかつ男を描いた長編小説。<br />