台湾への進出が成功、さらに戦争特需の波に押され、一隻の小舟から世界に冠たる巨艦となった鈴木商店。<br />しかし戦後不況という時代の潮に揺さぶられ、やがて関東大震災がもたらす未曾有の衝撃が、その船体を歴史のはざまへと沈めてゆく──そんな困難の中でも、彼らが最後まで捨てられなかった、商売人としての哲学と希望は何だったのか。<br />幻の商社の短くも太い航跡、感動の完結編。<br />