将軍御狩りの日、暗殺の陰謀を防ぐべく八代・吉宗の身代りとなった五兵衛は、危うく一命をとりとめた。<br />一方、尾張家に荷担、暗躍したかつての剣友・佐和口忠蔵は死んだ。<br />二十年後、五兵衛には、盗賊・日本左衛門との人生最後の対決が待っていた。<br />三河・遠江一帯を傍若無人に荒しまわる、尾張家のはみ出し者らしい……。<br />五兵衛、五十七歳――不屈の魂は、また燃え立った。<br />