昭和9年春、函館の潜水夫・泊(とまり)敬介は、時化(しけ)る海と吹き荒れる風に妙な胸騒ぎを感じていた。<br />予感は的中し、猛火が街を襲う。<br />妻子と母を探し歩く敬介だったが。<br />さらに昭和20年の空襲、昭和29年の洞爺丸沈没。<br />立ち直ろうともがく敬介に、運命は非情な仕打ちを繰り返す……。<br />仙台在住の著者が震災から半年後、悩み迷いながら筆をとった、再生と希望の長編小説。<br />『烈風のレクイエム』改題。<br />