大地震や富士の大噴火が続くなか、佐渡島の鉱山開発、貨幣改鋳の断行など財政の舵取りを担った荻原重秀。<br />辣腕勘定奉行は解任され、その翌年、落命した。<br />二十年の時を経て、その死の実態を記した文書が出回る。<br />荻原の近くにあった父に不信感を拭えず、娘のせつは佐渡を目指す。<br />歴史の暗部と父子の葛藤を見事に描き切った超大作。<br />