気がつけば、おれは石川五右衛門だった…。<br />神出鬼没に時空を飛ぶ作家一家。<br />読者を物語のブラックホールに突き落とし、ねじれた迷宮へと誘う表題作。<br />被害者の遺族が死刑囚の刑を執行するという狂気の設定で、獄中で執筆し続けた囚人作家の断末魔を描く『天の一角』。<br />長年の忍従に暴発した作家夫人の怒濤の糾弾を活写する法廷劇『妻の惑星』等、表現への熱い慟哭が刻まれた傑作7編。<br />