ユダヤ人大量殺害という任務を与えられ、北の大地で生涯消せぬ汚名を背負ったアルベルト。<br />救済を求めながら死にゆく兵の前で、ただ立ち尽くしていた、マティアス。<br />激戦が続くイタリアで、彼らは道行きを共にすることに。<br />聖都ヴァチカンにて二人を待ち受ける‘奇跡’とは。<br />廃墟と化した祖国に響きわたるのは、死者たちの昏(くら)き詠唱か、明日への希望を込めた聖歌か――。<br />慟哭の完結編。<br />