全身が唇からとろけていきそうなくちづけ。<br />待ち望んで待ち望んで、気が狂ってしまうのではないかと思うほど待っていたくちづけ。<br />恋人を作り家を出て行った母が、父の亡骸と交わす最後のくちづけ。<br />舌をからませることのない、淡い別れのくちづけ。<br />人生でもっとも嬉しく、もっとも幸福だったくちづけ……。<br />様々なくちづけが織りなす、男女の恋と愛、そして人生を描く、九つの恋愛小説。<br />