「知り合いから妙なケモノをもらってね」籠の中で何かが身じろぎする気配がした。<br />古道具店の主から風呂敷包みを託された青年が訪れた、奇妙な屋敷。<br />彼はそこで魔に魅入られたのか(表題作)。<br />通夜の後、男たちの酒宴が始まった。<br />やがて先代より預かったという‘家宝’を持った女が現れて(「水神」)。<br />闇に蟠るもの、おまえの名は? 底知れぬ謎を秘めた古都を舞台に描く、漆黒の作品集。<br />