着物をめぐる物語(新潮文庫)
華やかな歌舞伎座の楽屋に、藤娘の衣裳を着て現れる女形の幽霊。
唐子の着物をほめてくれた混血の美青年が戦時中にたどった運命。
夫と息子に先立たれた老女が黙々と織る越後上布。
男に翻弄されたホステスが遺した大島。
老境を迎えた辰巳芸者の着物への執念。
畳紙に包まれ密やかに時を刻んでいた着物が、繙かれ鮮やかに語り始める……。
縦糸と横糸のあやなす、美しく残酷な11の物語。
※新潮文庫版に掲載のイラストは、電子版には収録しておりません。
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