加賀の海から水死体で発見された男。<br />北海道・余市の自宅には、底に「卯」の字のある一体の古い素焼き人形が残されていた。<br />事件から五年、かすかに残った男の足跡を辿る浅見光彦は、北九州・北陸・北海道を結ぶ長大なラインに行き当たる。<br />それは江戸から明治期に栄華を極めた、北前船の航路と重なっていた。<br />列島を縦断し歴史を遡る光彦の推理。<br />ついに驚愕の真実が、日本海から姿を現す。<br />