春三月、卒業式に「仰げば尊し」を歌わせない学校があった。<br />新聞記者の宮川はその取材で一人の魅力的な教育者を見た。<br />‘けっぱり先生’こと猪股校長である。<br />試験廃止、PTA解散など、教育ママの反対もなんのその、ねじまげられた教育のゆがみを正そうと情熱を燃やすガンバリ校長だ。<br />傷つきやすく多感な青春群像を、厚い胸に抱きとめてのその奮戦を、爽やかに描く感動の学園小説。<br />