ワープロのディスプレイ上でカギ括弧同士が恋をした。<br />威張り腐った●や■に他の記号たちが反乱を起こす「括弧の恋」。<br />方言学の権威が、50年前自分を酷い目に遭わせた特高の元刑事を訛りから見破って復讐する「五十年ぶり」。<br />ある日突然舌がもつれる青年駅員の悲劇を描く「言語生涯」など言葉の魔術師による奇想天外な七編に加え、抱腹絶倒の四編を新たに収録した著者最後の短編集。<br />