二千五百年前、春秋末期の乱世に生きた孔子の人間像を描く歴史小説。<br />『論語』に収められた孔子の詞はどのような背景を持って生れてきたのか。<br />十四年にも亘る亡命・遊説の旅は、何を目的としていたのか。<br />孔子と弟子たちが戦乱の中原を放浪する姿を、架空の弟子・えん薑が語る形で、独自の解釈を与えてゆく。<br />現代にも通ずる「乱世を生きる知恵」を提示した最後の長編。<br />野間文芸賞受賞作。<br />