恋はどうして、いつも期待や望みを裏切って思いがけない方向へ転がっていくのだろう。<br />そして人はどうして、そんなままならぬ恋から逃れられないのだろう――。<br />なぜか手放せない想いに逆にからめ取られて、身動きできなくなってしまった男と女のデリケートな哀歓を、なめらかな大阪言葉にのせてしみじみと綴る。<br />読むほどに人恋しさが募ってくる、恋愛小説ならではの情趣溢れる10篇。<br />