朝廷・公卿・武門が入り乱れる覇権争いが苛烈を極めた、激動の平安末期。<br />千変万化の政治において、常に老獪に立ち回ったのが、源頼朝に「日本国第一の大天狗」と評された後白河院であった。<br />保元・平治の乱、鹿ヶ谷事件、平家の滅亡……。<br />その時院は、何を思いどう行動したのか。<br />側近たちの証言によって不気味に浮かび上がる、謎多き後白河院の肖像。<br />明晰な史観に基づく異色の歴史小説。<br />