ある日、高校生の姉が家を出た。<br />僕は出来の悪い弟でいつも姉に魅かれていた。<br />バラバラになった家族を捨てて僕も、水際を歩きながら考える。<br />姉と君子さんの危うい友情と、彼女が選んだ人生について……。<br />危うさと痛みに満ちた青春を17歳ならではの感性でまぶしく描く坊っちゃん文学賞受賞作(「魚のように」)。<br />ほか、家庭に居場所のないふたりの少女の孤独に迫る短編「花盗人」を収録。<br />