新米機長、村井知洋は頭を抱えた。<br />ミスひとつで資格を剥奪されてしまう査察飛行、その担当が氏原政信キャプテンに決定したからだ。<br />氏原は鋭いチェックで皆から恐れられる存在だった。<br />そして、村井の最も長い一日が、幕を開ける。<br />目的地、雪のニューヨークは遥か彼方、前途には様々なトラブルが待ち受けていた。<br />操縦席、そしてパイロットの真実を描き切った、内田幹樹の最高傑作。<br />